SiiD BLOG ロゴ

ITパスポートは意味がないと言われる理由|取得するメリットを解説

キャリア
ITパスポートは意味がないと言われる理由|取得するメリットを解説

この記事を書いた人

SiiD BLOG編集部

SiiD BLOG編集部

SiiD BLOG編集部にて、皆さんの学習やキャリアに役立つ記事を発信します! 普段は受講生の皆さん向けに、学習やキャリアの相談にのったりもしています。

「ITパスポート」と検索窓に打ち込むと、候補に「意味ない」「無駄」「いらない」といった言葉が並びます。
受験を考えている人にとっては、出鼻をくじかれる光景でしょう。SNSや掲示板をのぞけば、「取っても何も変わらなかった」という体験談も見つかります。

ただ、否定的な評価には根拠がある一方で、批判の多くは「誰が、何のために取るのか」という前提のズレから生まれています。
エンジニア志望の人が読むべき結論と、営業や経理の担当者が読むべき結論は、まったく別物になるからです。

本記事では、IPA(情報処理推進機構)が公開しているデータと、150名以上のエンジニア採用に関わってきたBugFix代表・堀口セイトの視点から、意味ないと言われる理由・取得するメリット・向いている人の特徴を解説します。

ITパスポートは取得しても意味がない?

ITパスポートは取得しても意味がない?

先に結論をお伝えします。
非IT職の社会人や文系の学生にとっては十分に価値のある資格である一方で、すでに実務経験のあるエンジニアにとっては優先度の低い資格だといえます。

「意味ない」と語る声の多くは、IT業界の内側から発せられたものです。
開発の現場で求められる能力を基準にすれば、確かに物足りない試験でしょう。しかし受験者の大多数を占めるのは非IT職の人々であり、評価軸そのものが違っています。
誰の感想なのかを確かめないまま評判だけを受け取ると、判断を誤ります。

数字を見れば、支持されている事実もはっきりするでしょう。
令和7年度の応募者は約30万7000人にのぼり、2年連続で30万人を超えました。平成21年度の試験開始からの累計応募者数は260万人を突破しています。

ITパスポートとは

ITパスポートは、IPAが実施する国家試験です。
ITを利活用するすべての社会人と、これから社会人になる学生が備えておくべき基礎知識を問う、入門レベルの試験として位置づけられています。

出題はストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野から計100問、試験時間は120分です。
受験手数料は7500円(税込)となっています。経営戦略や法務からネットワーク、セキュリティまで扱う範囲は広く、ITの技術だけを問う試験ではありません。

試験はCBT方式で、全国47都道府県に設置された会場にて通年で随時実施されてきました。
ただし2026年12月28日以降は一時休止が予定されているため、受験時期には注意が必要です。合格基準は総合評価点が1000点満点中600点以上で、かつ各分野で300点以上を取ることが必要です。
総合点が足りていても、1分野でも300点を下回れば不合格となる仕組みになっています。

ITパスポートの取得が「意味ない」と言われる3つの理由

ITパスポートの取得が「意味ない」と言われる3つの理由

批判の中身を、まずは正確に押さえておきましょう。
主に3つの理由がありますが、いずれも事実として否定しづらく、感情的な決めつけではありません。

  • 業務独占資格ではないから
  • 難易度が高くないから
  • 専門性が必要な資格ではないから

上記は、どれも「エンジニア職の物差し」で測ったときの評価である点は意識しておきたいところです。
対象読者が変われば、同じ事実から導かれる結論も変わります。実際、期待値の設定を誤ったまま受験した人ほど、取得後に「無駄だった」と語る傾向が見て取れるでしょう。

業務独占資格ではないから

医師免許や弁護士資格のように、有資格者だけが従事できる仕事を業務独占と呼びます。
ITパスポートはこれに該当せず、資格そのものに権限が伴いません。

持っていなくてもIT業界で働けますし、システムの設計も運用も問題なくできてしまいます。
「国家資格」という響きから独占的な権限を期待して受験すると、取得後に肩透かしを食らうでしょう。

ITパスポートが証明するのは権限ではなく、ITを使う側に必要な知識の広さです。
この点を取り違えたまま走り出すと、どんな資格でも同じ結末をたどります。

難易度が高くないから

令和7年度の受験者は約27万1000人、合格者は約13万2000人で、合格率は48.6%でした。
近年は50%をわずかに下回る水準で推移しており、受験者のおよそ2人に1人が合格する計算になります。

2人に1人が受かる試験に、希少価値は生まれません。
採用の現場で「この資格を持っているから採用する」という判断が起きにくいのは、保有者の母数が大きく、応募者どうしの差がつきにくいためだと考えられます。

一方で、半数は不合格になっているという事実も忘れないでください。
無勉強で受かるほど甘い試験ではありません。加えて、令和7年度は約30万7000人が応募したのに対し、実際に受験したのは約27万1000人でした。差し引き3万人以上が、申し込んだものの受験に至っていない計算になります。
随時受験できる方式だからこそ、受験の時期を決めきれないまま期限を迎える人も少なくないのでしょう。

専門性が必要な資格ではないから

出題範囲は経営戦略からセキュリティまで、広く浅く設計されています。
裏を返せば、コードを書ける証明にも、サーバーを構築できる証明にもなりません。

開発の現場で評価されるのは「何を作ったか」であり、知識の網羅性ではないという事実があります。
エンジニア職の選考でITパスポートが決め手にならないのは、資格の質が低いからではなく、そもそも測っている対象そのものが違うからです。

資格手当や合格時の一時金を設けている企業もありますが、対象とするかどうかも金額も企業ごとに異なり、上位資格ほどの厚遇を前提にはできません。
受験手数料にテキスト代も加われば出費は1万円前後になるため、金銭的な見返りだけを目的にすると割に合わないと感じやすくなります。

ITパスポートを取得するメリット

ITパスポートを取得するメリット

以上の指摘が事実であるにもかかわらず、応募者は年間30万人規模を保ち続けてきました。
受験者の分布を見ると、批判とはまったく違う景色が浮かび上がってきます。

令和7年度の社会人応募者のうち、勤務先を回答した人を見ると、非IT系企業に勤める人は約18万人、IT系企業に勤める人は約4万人でした。
実に4倍以上の開きがあり、ITを使う側の人材を底上げするために活用されている実態が読み取れます。

業種別に見ると、前年度と比べて建設業が23.1%増、医療・福祉業が10.2%増と伸びました。
施工管理システムや電子カルテを思い浮かべれば、増加の理由も腑に落ちるでしょう。デジタル化の波は、IT業界より先に、その外側の業界を揺らしています。学生では大学の「情報系以外の文系」が2万3337人と最多で、前年度から9.7%増加しました。
情報系の学歴を持たない層にとっての選択肢としても定着しつつあります。

ITリテラシーが高まる

社内でシステムを刷新するとき、情報システム部門やベンダーとの打ち合わせが発生します。
そこで飛び交う用語の意味がわからないままだと、判断を相手に委ねるしかありません。

ITパスポートの学習範囲は、まさにこの会話に必要な語彙をカバーしています。
クラウドとオンプレミスの違い、認証と認可の区別、要件定義の位置づけといった知識は、地味ながら実務でよく効きます。
相手の提案に対して「その方式だと運用の負荷はどうなりますか」と質問できるようになるだけで、仕事の質は一段変わるものです。

見積書に並んだ項目の意味がわかる。
ベンダーの説明のどこが曖昧かに気づける。派手さはありませんが、こうした小さな差が数年単位で積み上がっていきます。

上位資格へのチャレンジのきっかけになる

基本情報技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験に進む場合、ITパスポートで扱った用語が土台として機能します。
学習の段差が小さくなる分、次の一歩を踏み出しやすくなるでしょう。

いきなり基本情報に挑んで挫折する人は少なくありません。
順序として無理がなく、途中で方向転換もしやすい点は、ITパスポートから始める利点だといえます。

キャリアの見通しがまだ固まっていない段階でも、選択肢を狭めずに動き出せます。
学んだ結果として「やはり技術そのものに興味がある」と気づく人もいれば、「企画側で関わりたい」と方向を定める人もいるはずです。

就職や転職で評価される

未経験からIT業界を目指す場合、ITパスポートが書類選考でマイナスに働くことはまずありません。
少なくとも「関心があると口で言うだけの人」との間には、はっきりした差が生まれます。

採用側が見ているのは、合格したという事実そのものよりも「なぜ、この時期に、この資格を選んだのか」という点です。
働きながら数ヶ月で合格した経緯を語れる人は、目標を決めて計画を立て、実行し切れる人物だと受け取られます。
逆に、学生時代に授業の一環で取得したきり特に語ることがなければ、話題は数秒で終わってしまうでしょう。

ただし、加点の幅は限定的だと考えてください。
同じ求人に、資格は持たないもののWebアプリを自作して公開している応募者がいれば、多くの企業はそちらに目を向けます。
未経験者の選考では、入社後に成果を出せるかどうかを見極める材料として、制作物が最も判断しやすいからです。

ITパスポートの取得に向いている人の特徴

ITパスポートの取得に向いている人の特徴

結論として、ITパスポートは、すべての人に勧められる資格ではありません。
応募者の多数派が非IT系企業の社会人である事実が、向いている層をそのまま表しています。

反対に、すでに開発や運用の現場で働いているエンジニアにとっては優先度が低いといえます。
会社から取得を推奨されているのでなければ、基本情報技術者試験や、扱っている技術領域のベンダー資格に時間を配分したほうが返りは大きくなるでしょう。

迷ったときは、「ITを使う側に回るのか、作る側を目指すのか」で判断すると整理しやすくなります。
具体的な向いている人の特徴を解説します。

IT関係の業務に関わっている人

社内のデジタル化推進を任された人や、業務システムの入れ替えに立ち会う立場の人には、費用対効果の高い選択肢です。
打ち合わせの内容を自分で理解できるかどうかが、そのまま仕事の進めやすさに直結します。

建設・医療・金融といった非IT業界でも、システム導入は着実に進んでいます。
現場と開発側の間に立つ人ほど、共通言語の必要性を実感しているはずです。

学んだ用語を自社の受発注フローや社内の運用ルールに置き換えながら進められる立場にあるほど、知識は定着しやすくなります。
在庫管理システムの話が出てきたら自社の流れを思い浮かべる、といった照らし合わせができる環境そのものが利点になるわけです。

IT分野の基礎知識を身に着けたい人

独学でも合格は十分に可能です。
市販のテキストと過去問演習の組み合わせで受かっている人は多く、資格講座各社は、IT初学者で150時間から180時間、ある程度の予備知識がある人で100時間前後を学習時間の目安として案内しています。

注意したいのは、3分野すべてに基準点が設けられている点です。
総合点が600点を超えていても、1分野でも300点に届かなければ不合格になります。2進数やネットワークの仕組みなど、テクノロジ系に苦手意識があるなら、その分野に学習時間を厚めに配分しておきましょう。

学習が続かない自覚がある人は、独学にこだわらないほうが賢明でしょう。
申し込んだまま受験に至らない人が毎年3万人規模で出ていることを踏まえると、独学か講座かは理解力よりも、学習を続けられる環境があるかどうかで選ぶほうが現実的です。

IT業界への就職・転職を考えている人

情報系の学歴を持たない人にとって、興味の本気度を具体的に示す材料として機能します。
志望動機に「独学で勉強しています」と書くのと、合格の事実を添えるのとでは、受け取られ方が変わります。

面接では「取得しました」で止めないでください。
セキュリティの学習を通じて顧客データの扱い方を見直した、ストラテジ系の知識が業界研究に効いた、といった形で自分の経験と接続できるかどうかで評価は分かれます。
資格を証明書ではなく話の入口として使う人ほど、選考の通過率は高い印象があります。

そのうえで、エンジニア職を狙うなら資格だけでは限界があると理解しておきましょう。
手を動かして作ったものを並行して用意できるかどうかが、選考の結果を大きく左右します。

ITパスポートと併せて検討したい資格

ITパスポートと併せて検討したい資格

「同じ時間を使うなら、別の資格のほうがよいのでは」と迷う人も多いはずです。
資格ごとに証明できる対象は異なるため、目指す職種から逆算して選ぶのが前提になります。

受験を検討するなら、日程についても確認が必要です。
IPAはシステムのリプレースにともない、2026年12月28日以降のCBT方式の試験実施を一時休止する予定と公表しました。再開時期は決まっておらず、会場によっては12月27日より前に受けられなくなる可能性もあるとのことです。
通年でいつでも受験できるという前提が、一時的に崩れると考えてください。

さらにIPAは、2027年度から新しい試験制度へ移行する予定と公表しています。
ITパスポートについては、出題分野を「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」へ再整理し、DXで求められるマインドやデータマネジメントの基礎を加え、AI時代に対応したセキュリティと倫理の出題を強化する方向が示されました。
あくまで案の段階であり、確定情報はIPAの発表を確認してください。すでに学習を進めているなら現行制度のうちに受け切る、これから始めるなら新制度の内容を確認してから動く、といった判断が要ります。

基本情報技術者

基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門として位置づけられている試験です。
アルゴリズムやプログラミングの理解が問われる分、学習の負荷はITパスポートより明らかに重くなります。

すでにエンジニア職を明確に目指しているなら、ITパスポートを飛ばして基本情報から入る選択も現実的でしょう。
資格を2つ取る時間があるなら、1つに絞って制作物づくりに回すという考え方も成り立ちます。

ただし、IT用語にほとんど触れたことがない状態でいきなり挑むと、専門用語の壁で手が止まりがちです。
自分の現在地しだいで、遠回りにも近道にもなります。

応用情報技術者

応用情報技術者試験は基本情報の上位に位置し、記述式で設計・管理・戦略まで問われます。
実務経験のある人向けの試験だと考えてください。

合格すると、その後2年間、高度試験と情報処理安全確保支援士試験の科目A-1試験(令和7年度試験までの午前Ⅰ試験)の免除を申請できます。
次のステップにつながる位置づけだといえるでしょう。ただし2027年度からは、高度試験とあわせて「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」へ再編される予定のため、目標に据えるならIPAの最新発表を確認してください。
キャリアの中期目標として据えておくと、学習の方向性が定まりやすくなるでしょう。

未経験の段階でいきなり目指す資格ではありません。
まずは基礎を固め、手を動かして作ったものを増やすほうが、転職では確実に効いてきます。

ITパスポートの次に進みたいならSiiDに相談してみよう

ITパスポートは、ITを使う側の共通言語を手に入れるための資格です。
非IT職の社会人や、情報系以外の学部から就職活動に臨む学生にとっては、投資に見合う価値があります。一方、開発の現場に立つことを目標にしているなら、この資格はスタート地点の確認にすぎず、次の一手をどう打つかが本題になるでしょう。
意味があるかどうかは資格の側ではなく、読み手それぞれの目的地によって決まります。

BugFixが運営するAIプログラミングスクール「SiiD」は、現役エンジニアと元人事部長が指導する実務直結型のカリキュラムを、12ヶ月かけてオンラインで進めていきます。
学べるのは、Claude CodeやCodex、GitHub CopilotといったAIエージェントを活用した開発手法です。
AIにコードを書かせて終わりにするのではなく、出力を意図どおりに制御し、業務で使うアプリケーションに組み込むところまでを目指せる環境を用意しています。

転職サポートに重きを置いている点も特徴です。
採用する側にいた人間が職務経歴書と面接を見るため、転職や年収アップを見据えている人ほど噛み合うはずです。
経済産業省のリスキリング講座(Reスキル講座)にも認定されており、給付金を活用した場合の自己負担は実質10万円台からとなります。

「ITパスポートは取ったものの、この先どう動けばいいのかわからない」という段階でも構いません。
目指す職種と現在地を伺ったうえで、必要な学習の順序をお伝えします。まずは無料の個別説明会で、率直な疑問をぶつけてみてください。

■AIプログラミングスクール SiiD

---

AIプログラミングスクール「SiiD」について

AIプログラミングスクール「SiiD」は、未経験からITエンジニア転職を目指す方向けのオンラインスクールです。

SiiDの特徴

  • 現役エンジニアでYouTube登録者約13万人の「セイト先生」が代表兼主任講師
  • 採用側の実務知見(2,000人以上の選考・150名以上のエンジニア採用)にもとづく指導
  • 生成AIを取り入れた学習設計と、実務レベルのフルスタックWeb開発スキル
  • Workship CAREER(株式会社GIG)と連携した無料の転職伴走支援
  • 経済産業省認定のReスキル講座で、給付金の条件を満たせば実質105,600円〜
  • 学割あり(35%オフ)

こんな方におすすめ

  • 未経験・文系・社会人からITエンジニア転職を本気で目指したい方
  • 独学に限界を感じている方
  • 費用を抑えながら実務スキルと転職サポートを両立したい方

「未経験だから」とあきらめる必要はありません。
採用する側を知り尽くしたプロが、給付金で負担を抑えながら内定まで伴走します。

シェアする

未経験からのエンジニア転職を本気で目指すなら「SiiD」

SiiDはYouTube 13万人のセイト先生が主任講師のAIプログラミングスクール。元人事部長&現役エンジニアによる徹底指導で、生涯年収を大きくアップさせませんか?

SiiDの詳細を見る